練習をしていて涙がでた
「ああ・・・これ」
私が大好きな歌劇「ワリー」の中の有名なアリア、「さようなら、ふるさとの家よ」。今度歌うことになりました。
これは大学生の時も歌っていたし、卒業してからも歌ったことがありました。
でも、どうしても最後のH(シ)のロングトーンで力任せに声を出してしまう・・・。ああ・・・どうしたら・・・

昔は、特段そこに対して悩んでいなかったのですが、それは「力むことがおかしなことだと思っていなかったから」でした。
でも、解剖学を学ぶことによって「力んだ声の出し方は間違っている」ということにやっとたどり着きました。
数日練習してもうまくいかないので、レッスンで師匠にみてもらうことにしました。
ブレスのタイミングやブレスの仕方、口の中の開き方を少し変えると・・・
全く力まずに歌うことができるようになったのです!!
レッスンだからたまたま?と思い、翌日練習をすると
できるではありませんか。
力まず、きちんと倍音を作って、喉には何のつっかえもなく・・・声が出る。
「ああ・・・私こんな風に歌いたかったんだ。」
そして
「こんな風に声を出せるようになったんだ」
そう思うと、自然と涙がこぼれました。
今思えば、学生の時も卒業してからも「受動的に」しか歌えていなかったように思います。言われたことを、とりあえず理解せずに練習して、深く考えずにとりあえずやる。
でも今は、言われたことを自分が理解できるようにかみ砕き、自分でチェックしながら練習を行う。正解かどうかは、大方身体が答えを出してくれる。
そんな感じで「能動的に」練習することができるようになりました。
音声や動画で録音し、癖はないか?客観的に聴いてどこが不自然か、どこをどうすれば感動的になるか・・・そんなことを考えながら練習することができるようになりました。「今日はこれができるようになろう」そんな目標も立てて。
これまでは「もう歌うのはいいかな・・・指導の方でやっていこう」そう思っていました。
でも今は、歌いたくて仕方がない。そんな気持ちに変わりました。
上手か下手か、そんなことはわかりません。でも、間違いなく昔の自分よりも何万歩も成長していると感じることができます。

それは、今まで閉ざしていた世界を一気に広げることができたことが大きなきっかけです。
今までは「これで十分、これ以上学ぶことなんてない」なんて恥ずかしいことを思っていました。
でも、一歩外の世界に出て・・・それがいかに浅はかな考えだったのかを思い知りました。
学び、考え、実践していくことがとても楽しい。
「こんな風に音を紡げるなんて幸せだ」
そう思い練習していると、涙が止まりません。
また明日、どんな自分に出会えるのか、楽しみです。

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